こんにちは、cozyです!
先日発生した、 大阪・北新地のビルで25人が死亡した放火殺人事件で、 谷本盛雄容疑者の死亡が確認されたと報道がありました。
容疑者死亡となっては、その事件の真相究明が困難となったり、本人が直接罪を償うことができなくなったりなど、被害者遺族にとってはやりきれない思いでいっぱいでしょう。
今回のように、容疑者が死亡された場合、『被疑者死亡で書類送検、その後不起訴処分』なんて、ニュースなどで聞いたことはありますが、 その後の捜査や罪、損害賠償などは実際どうなるのでしょうか?
あまり知識がなかったので、調べてみました。
『大阪ビル放火殺人』事件の概要
引用:毎日新聞
大阪・北新地で起きた放火殺人事件で、警察は容疑者の男について死亡が確認されたと発表しました。 死亡が確認されたのは放火と殺人の疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)です。
12月17日、大阪・北新地の心療内科クリニックが放火され25人が死亡した事件で、警察はクリニックに通院していた 谷本容疑者が火をつけたとして捜査していました。
谷本容疑者は事件後、病院に搬送されて重度の一酸化炭素中毒などで重篤な状態が続いていましたが、警察によりますと、12月30日午後7時ごろに大阪市内の病院で死亡が確認されたということです。
警察は容疑者死亡のまま書類送検する方針ですが、 谷本容疑者が死亡したことで動機の解明は困難となる見通しです。
引用:MBS NEWS
容疑者死亡、その後の捜査は?
谷本容疑者の死亡を受け、大阪府警の幹部は「なぜ事件を起こしたのかは本人の口から聞かないと分からないことが多く、事件の真相解明は現実的に難しくなったと言わざるを得ない。ただ、 府警としては容疑者死亡後も、押収した資料や関係者の証言を踏まえ、真実に迫れるよう捜査を尽くしたい」と話した。
引用:毎日新聞
容疑者死亡は確定しましたが、その後の事件捜査は続くようですね。ただ、「どういう状況だったか」などは捜査で明らかにはできますが、犯人が「どうしてこの事件を起こしたのか」という動機などについては、もう明らかにはできなくなってしまいました。こればっかりは本人しか知る由がないですから…。
事件を起こした動機がどんなに『非人道的』なものであったとしても、 被害者遺族や友人たちが今後その死を受け入れ、乗り越えていくためにはとても重要なものだと思います。本当のところがわからなければ、推察や想像でしかなく、被害者遺族たちのやりきれない思いが残る要因にもなり得ると思います。
被疑者死亡は不起訴?罪は誰が償う?
通常の刑事事件では、警察の捜査後に、容疑者が検察に送られ、検察が起訴すると裁判となります。
しかし、今回のように容疑者死亡の場合、容疑者が死亡により不在となるので、 本来は容疑者が送検されますが、捜査書類などのみが検察に送検される、
これが 書類送検 ですね。
その後、捜査書類は検察に送られるものの、 本人死亡で裁判が成立しないことから
不起訴 となります。
罪を問う相手がいないので裁判ができない、つまり今回の事件の罪は誰も償うことができないのです。
この事実が最も被害者遺族をやりきれない思いにする要因ではないかと思います。「自分の大切な人を奪った相手なんて生きていてほしくない」そう思う方もいるとは思いますが、やはり「罰則を与え、罪を償ってほしい」そう思う方が多いのではないでしょうか。
こういった 容疑者死亡により不起訴となった事件は過去にもあったようです。
・2015年、東海道新幹線内で火をつけた男が50代の女性を巻き込んで焼死した。
・2019年、川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小の児童ら20人が殺傷された事件では、容疑者は直後に自分の首を刺し、死亡した。
賠償責任は親族に発生するの?
今回の事件では容疑者が死亡されたことによって、 刑事事件としては不起訴処分となります。しかし、 加害者の親族が被害者遺族から損害賠償を請求されるケースも考えられると思います。実際、加害者の親族も被害者とは思いますが、被害者遺族にとっては、その思いの矛先はそこしかないので致し方ないようにも思えます。
実際はどうなのでしょうか?
加害者は、不法行為に基づく損害賠償の請求を受ける可能性がありますが、 損害賠償責任は加害者本人だけに発生し、家族や親族は責任を負いません。加害者が死亡すれば、相続する権利のある人が相続放棄などをしない限り、 損害賠償債務として加害者の相続人に相続されます。
引用:大人ンサー
今回の事件では25名もの尊い命が奪われています。本来であれば、その25名の 遺族が加害者に対して損害賠償を請求することは十分考えられます。
損害賠償責任は、基本的には加害者本人のみが請け負うものですが、加害者が死亡すれば、それを相続というかたちで、今回の事件であれば谷本盛雄容疑者の親族が損害賠償責任を請け負うようになります。
つまり、加害者親族に対して損害賠償請求することは可能ということになります。
しかし、この 損害賠償責任は相続を拒否することが可能なようです…
結局のところ、加害者親族に損害賠償請求はできますが、損害賠償責任の相続を拒否することは目に見えているので、民事訴訟を起こす意味がないのです。
もうこうなってしまうと、残された遺族の思いはどうにもならなくなってしまいますね。本当に報われませんね。
訴訟大国のアメリカではこんな事例があったようです。
さらに、犯人2人に銃を譲った2人は、実刑判決を受け約1億円の賠償を負うことになった。
また、2012年12月、コネティカット州のサンディフック小学校で起きた小学生20人を殺害した銃乱射事件では、自殺した犯人が20歳と成人していたが、親の銃を凶器にしていたため、管理不足を問われ、親の賠償額は約1億6000万円に達した。
引用:FNNプライムオンライン
ただ、この事例では加害者本人に発生した責任ではなく、それに付随したものの 管理に対する責任への損害賠償請求が承認されたようですね。
今回の大阪ビル放火殺人事件では、こういった観点からの立証も難しそうですよね…
世間の反応は?
トレンドに
大阪ビル放火殺人 谷本盛雄容疑者が入院先の病院で死亡
話題ニュース
ん~
25人…も…
悪いことを…罪の重みも知らずに…
たくさん巻き込んで…みなと一緒死ぬ
遺族のやり場のない怒りは…どうすればいい
発散できず…人生をおくるのはこくと思う… pic.twitter.com/WUCcDlB1s9— 雄とゆう名の男 (@yuutoyuunanoyu) December 30, 2021
これで被疑者死亡で刑事事件は不起訴処分。。。民事の25名の数十億円に及ぶ損害賠償請求債権も被疑者の遺族は相続放棄して債務を免れるでしょう。。。ご遺族の思いを思うとやりきれません。。。被疑者に公判を受けさせたかったです。
>#Yahooニュースhttps://t.co/BpjbHxzV6N— 山岸久朗 弁護士 (@ben_yama) December 30, 2021
容疑者が死亡され、遺族への思いを汲み、残念に思われている方が多いようです。
まとめ
今回は 『谷本盛雄容疑者死亡、捜査は?罪は?損害賠償は?大阪ビル放火殺人』と題して、記事を書きました。
この痛ましい事件がこのようなかたちで終わりを迎えようとしていることに、被害者遺族のこと思うと、やりきれない思いでいっぱいになります。
被害者のご冥福と被害者遺族が憎しみや悲しみを乗り越えられますように、お祈りいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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